「藤原宮と京」に関する成果を公開

奈良文化財研究所 都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)では、調査・研究の成果の一端を一般公開する施設として「藤原京資料室」を構内に設けています。同調査部は、宮・京・寺院・古墳墓などの飛鳥・藤原地城の遺跡の発掘や整備を行い、出土した遺物の調査や保存整理を行う研究機関です。

飛鳥池工房遺跡出土の木簡  左から「舎人皇子□」(釘の様[ためし]) 「天皇聚□(露カ)弘寅□」 「大伯皇子宮物 大伴□・・・・・・□品并五十□」 © 奈良文化財研究所 都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)(Photo by Miro Ito)

木簡に記された「天皇」と皇子・皇女たち

天武朝の官立飛鳥池工房跡からは、律令国家の成り立ちを解き明かす、大量の木簡が発見されました。「天皇」の文字が書かれた最古の木簡も、出土しています。「舎人皇子」は天武天皇の第六皇子、「大伯(おおく)皇子」は持統天皇の姪・大来皇女を指し、天皇・皇子・皇女の名前が木簡に記されました。

藤原宮 軒丸瓦と軒平瓦  © 奈良文化財研究所 都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)(Photo by Miro Ito)
川原寺 創建軒丸瓦 © 奈良文化財研究所  都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区) (Photo by Miro Ito)

日本初の瓦葺き宮殿を飾る瓦

藤原宮は、日本で初めての瓦葺きの宮殿でした。これまでの掘立柱に取って代わり、基壇の礎石建ちの建物が築かれました。藤原京では200万枚もの瓦が必要とされ、遠くは讃岐(香川県)に至る、近畿地方各地の瓦工房で生産されました。

藤原宮の軒丸瓦は、大官大寺や本薬師寺以降の瓦の特徴を表しています。川原寺式の複弁八弁蓮華文の中央に二重の蓮子を、外縁には面違(たが)い鋸歯文を配しています(※川原寺瓦の一部や大官大寺瓦の外縁は素文)。蓮華文と外縁の間には、珠文があしらわれています。

 

※参考文献:『天武・持統朝 その時代と人々』展図録(奈良県立橿原考古学研究所附属博物館、2004年)『飛鳥・藤原京』展図録(奈良文化財研究所・朝日新聞社、2002年)

和同開珎(左:銀銭、中央・右:銅銭) © 奈良文化財研究所 都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)(Photo by Miro Ito)

初の公的通貨 和同開珎

702年の遣唐使派遣によって、701年の大宝律令が修正され、初の公的通貨「和同開珎」(かいちん)が発行されました。

疫病や飢饉に襲われた困難な時代を克服すべく、「万物和同するは、徳なり」(『淮南子』)を期して、招福除災のために、710年の平城遷都計画が立てられました。唐で見聞した長安の都に倣った新しい首都建設の財源として、『続日本紀』には708年5月の銀銭、8 月の銅銭の鋳造が記されており、銅銭1文は、1日分の使役の労賃に充てがわれたといわれます。

奈良文化財研究所 藤原宮跡資料室 利用案内
施設名 奈良文化財研究所 藤原宮跡資料室
所在地 〒634-0025 橿原市木之本町94-1
TEL/FAX 0744-24-1122/0744-21-6390
URL http://www.nabunken.go.jp/fujiwara
営業時間 9:00~16:30
休日 展示替え期間中、年末年始
料金 無料