1300年前の『万葉集』の世界を再現するミュージアム

「いにしえから 現代へ伝えたい 万葉の世界の扉」を謳う、奈良県立万葉文化館は、1300年の時を超えて、万葉の世界に誘ってくれるミュージアムです。奈良県明日香村飛鳥に所在し、敷地内には、日本最初の官営工房であった飛鳥池工房遺跡があります。

奈良時代の遣唐使船のジオラマ 奈良県立万葉文化館 (Photo by Miro Ito)
奈良時代の東大寺大仏造立のジオラマ 奈良県立万葉文化館(Photo by Miro Ito)
藤原京朝堂院と大極殿のイメージ展示 奈良県立万葉文化館

体感型の万葉ミュージアム

体験型「万葉ミュージアム」というコンセプトのもと、伎楽演舞・歌垣、飛鳥池工房での貨幣やガラス製造工程、役人の仕事場の復原など、当時の生活を再現する等身大のさまざまな展示ほか、ジオラマや柿本人麿の人形劇などによって、万葉の時代へ誘ってくれます。7世紀前半から759年(1)までの約130年間の歌が収録される『万葉集』の時代を体感できます。

 

註ー(1) 759年は、大伴家持による最後の歌が詠まれた年。現存する日本最古の歌集である『万葉集』は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編纂され、 全20巻に、天皇から農民までの幅広い階層の作者による約4500首の歌が収められる。 

ガラスの製造工程(左)と貨幣の製造工程(右)の復原展示 奈良県立万葉文化館(Photo by Miro Ito)
飛鳥池工房遺跡  奈良県立万葉文化館敷地内

飛鳥池工房の製造工程を復原

奈良県立万葉文化館の敷地内には、日本初の官立工房・飛鳥池工房遺跡があります。ここでは、ガラス製品や金・銀・銅製品などが製造されたほか、数千点にも及ぶ木簡が出土しています。日本最古の鋳造銭である「富本銭(ふほんせん)」も量産されていました。同館では、飛鳥池工房遺跡復原遺構(炉跡群復原展示)のほか、富本銭をはじめとした出土品の展示や、それらの製造工程も復原されています。

奈良時代の伎楽演舞のイメージ展示(背景の一部は合成写真) 奈良県立万葉文化館(Photo by Miro Ito)
奈良時代の伎楽演舞のイメージ展示(背景の一部は合成写真) 奈良県立万葉文化館(Photo by Miro Ito)

幻の芸能「伎楽」の演舞を等身大で再現

中国三国時代の呉の国発祥とされる伎楽(ぎがく)は、仮面が現存する、アジア最古の仮面芸能です。シルクロード交易の民であったソグド人の影響が大きく、 伎楽面には、イラン系遊牧民であったソグド王がギリシア神話の酒の神バッカスと融合した「酔胡王」や家来の「酔胡従」など、14のキャラクターによる23面が残されています。

『日本書紀』には612年、聖徳太子の時代に百済の楽人・味摩之(みまし) が日本に伝え、桜井の土舞台で、子供たちに伎楽を教えたと記されています。奈良時代には、東大寺、大安寺、西大寺、大安寺、興福寺などの大寺院には楽団が置かれ、法楽として「伎楽会(ぎがくえ)」が盛んに行われ、仏教の普及に大きく貢献しました。

奈良県立万葉文化館 利用案内
施設名 奈良県立万葉文化館
所在地 〒634-0103 高市郡明日香村飛鳥10
TEL/FAX 0744-54ー1850/0744-54-1852
URL https://www.manyo.jp
営業時間 10:00~17:30 ※入館は17:00まで
休日 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日の平日)
年末年始
展示替日
料金 入館無料
日本画展示室(展覧会)のみ 観覧料:一般600円
(特別展は別料金)